50代を超えると子供に手がかからなくなって、夫婦としての過ごし方が変わってくるかもしれません。そんな中でよく言われるのが、好みの違い・価値観の違いによる熟年離婚ではないでしょうか。
確かに、これまで「親」としての夫婦のあり方だったのが、これからは「夫婦二人」になるわけですから、気になることも出てくるでしょう。そこで、50代からの夫婦仲を保つ秘訣や心がけをいくつかお話ししていきましょう。
50代の夫婦になると好みの違いが気になる
結婚は、もともと他人だった二人が夫婦になるのですから、育ってきた環境や考え方、好みは違っていて当たり前です。「結婚前には両目を大きく開いて見よ、結婚してからは片目を閉じよ」という言葉があるように、お付き合いをしているときは欠点が見えにくいのですが、結婚をして一緒に生活を始めると見えてくる部分があります。
それを一つ一つ見てしまうと「こんなはずじゃなかった」ということになるので、結婚後はあまり見ないようにしなさいという意味があるのです。結婚後はどんどん生活パターンが変わっていきます。ここではそのパターンについてお話ししていきまょう。
子供ができるまで
結婚をして子供ができるまでは二人きりの生活になりますが、やはり結婚をしたという意識が高く、一人よりも二人で暮らすことのありがたさや楽しさをしみじみ感じることでしょう。
この時期は、食べ物などの好みや価値観の違いがあっても、相手に合わせようとお互いに努力します。自分のために相手が頑張ってくれていることに感謝をして、自分の相手のために何かしようという気持ちが常に頭にあるはずです。好みの違いがあっても、それに対して神経質になりにくいでしょう。
子供が生まれると
妊娠・出産後は子供が中心の生活になります。夫は子供と妻のために頑張って働こうと思いますし、妻は子供と夫のために家を守ろうとするでしょう。
子供が生まれると、夫婦は親という立場が加わるので、子供中心の生活になります。まずは子供が最優先になるので、好みの違いなどがあってもある程度はお互いに我慢をしています。
子育てがひと段落するまでは親子という意識が高いので、子供のために夫婦は努力をするという時期が続きます。途中で好みの違いなどの違和感があっても、そこに深くかかわっている暇はなく、ひたすら子供の幸せのためを思って動いているのです。
会話の中心も子供になりますし、子供のことで意見を対立させてしまうこともあります。夫婦の会話というよりも、保護者としての会話といったほうがいいでしょうか。この時期にお互いのたわいもない会話があるかどうかで、その後の生活にも変化が出てくるのです。
子育てが終わると
子育てが終わるころ、夫婦は50代くらいになっているでしょう。早ければ40代後半ということもありますが、50代になるとほとんどの家庭で子育てが一段落しているのではないでしょうか。
子供が自立をして、夫婦二人の生活になるのがこのころからです。まだ定年という年齢ではないので、仕事をしながら夫婦で生活をしているパターンになるでしょう。妻は家事をこなし、夫は仕事というように、一見すると何も変化はないのですが、実は深いところで湧き上がってくるものがあるのです。
子供に向けられていた意識が、今度はお互いに向けられるために、好みの違いや価値観の違いがあらわになります。また、子供の成長のことで意見を交わしていた時の会話のすれ違いや意見の相違も、忘れたころに思い出してきます。そういったことが多かった場合には会話自体が少なくなります。
同じ趣味を持っているとか、普段から会話が多いという50代夫婦であれば心配はありませんが、次の項目に当てはまることがないか、チェックしてみましょう。
- 会話がない、またはほとんどしない
- 夫の話にイライラする、怒りやすい
- 夫が話をしてくれない
- 好みが違うことにイライラする
- 会話をしたくない
- 同じ時間を過ごしたくない
どうでしょうか。もちろんこれが当てはまるのが悪いということではありませんが、こういった感情を押し殺したまま結婚生活を続けていても、何の改善にもなりません。
50代夫婦の離婚をできるだけ避けるには
先ほどのチェックが多いからといって落ち込むことはありませんが、離婚を考えているとなると、話は別です。最近はコロナ離婚という言葉も流行っていますが、夫婦で過ごす時間が多くなったことで、好みや価値観の違いが離婚の原因になってしまうのです。
もちろん浮気や借金といった原因で離婚するケースもありますが、50代からの離婚というのはデメリットも多くなります。体力的・金銭的にもかなりの負担になりますし、子供の結婚などについても影響がないわけではありません。ですから、好みや価値観の違いで離婚をするということをできるだけ避け、夫婦仲を保つ秘訣を次はお話ししましょう。
好みの違いを認める
生活環境が違った二人が一緒に生活をするのですから、何かにつけて好みの違いが出るのは当たり前です。相手に合わせさせようとすると自分中心の考えになってしまうので、食べ物の好みが違うのであれば、お互いに好きなものを食べればいいのです。
夫がいろいろと文句を言う時には、夫に自分の食事は自分で作るようにお願いしてしまいましょう。そうすることで夫は料理の大変さもわかりますし、文句も少なくなるかもしれません。
趣味を持つ
お互いに時間があるときには、同じ趣味を持つこともいいかもしれません。結婚後、お互いの趣味がわかっていれば、歩み寄るのも一つのポイントです。趣味といっても、何かを習うということだけではありません。食べ歩きをする、映画を見る、ウォーキングをするなど、手軽に始められるものがおすすめです。
また、趣味をいうことではありませんが、ペットを飼うというものいいでしょう。猫や犬が家にいることで、お互いの会話が増えますし、ペットの行動に思わず笑ってしまった、なんてことも増えます。
同じ趣味をわざわざ持つのはちょっと、と思うのであれば、お互いの趣味に没頭しましょう。誰でも好きなことをしていれば気持ちは落ち着きますし、リラックスできます。どんなことをしているのか教え合うだけでも、お互いの良いところを認めるということにもなるので、尊敬できる部分が見えることもあります。
お互いに干渉しすぎず、少しでもいいから会話をする
これはどんなことにも当てはまりますが、お互いに干渉しすぎないことです。夫のやっていることに対して神経質になりすぎず、「やりたいのならどうぞ」というくらいに心を広く持ちましょう。自分もやりたいことをして気分転換をして、ストレスをためないという環境づくりをしましょう。
そして一番大切なのは、少しでもいいから会話をすることです。「おはよう」「おやすみ」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」はもちろんですが、些細なことやその日のニュースを口にすることが重要なのです。「わざわざ話をしなくてもわかるだろう」という考え方は、会話が面倒だという意識の表れです。
夫との会話が減れば減るほど、気持ちは離れてしまいますし、お互いの思っていることがつかめなくなります。結果として、一緒に生活する意味がないということにつながってしまうのです。そうならないように、ちょっとした努力をしてみてはいかがでしょうか。
弁護士に相談するにはまだ早いあなた!
夫婦の悩みを、すぐ離婚と決めていいのでしょうか?
あなたの本音は、本当に別れることでしょうか?
人生の大きな決断をする時は、すぐ決断しないこと!!
人に話しをすることは弱音を吐くことではありません!
ご自分の心の声に忠実でいいのです。
そして、ゆっくりと心の声に耳を傾けましょう。