夫の定年を機に離婚しようかどうしようか悩む妻が増えていると言います。定年する年齢は現在も延びつつありますが、その後の長い期間を24時間一緒に生活するなんて、とても耐えられないというのがその理由のようです。
夫婦とは言え、元は他人なので、性格が合わないのはむしろ当然のことと言って良いでしょう。相変わらず「性格の不一致」は離婚原因の定番となっているのです。そんな揺れ動く妻たちの本音に迫ります。
50代の夫婦の実態
50代夫婦というと、夫は毎日出勤してバリバリ働いてはいるものの、早ければおじいちゃん、おばあちゃんになっているという家庭もたくさんあるでしょう。逆に、出産が遅めだった家庭では、子どもはまだ学生で、引き続き教育にお金がかかる予定、というところもあるはずです。
しかし、50代夫婦に共通しているのは、そろそろ老後の生活を本気にシミュレーションする時にきているということです。とても仲の良い夫婦であれば、当然のようにそのまま2人の老後生活に入るわけですが、そうではない夫婦もたくさんいます。
このまま一緒にいるなんてとても想像できない、老後の面倒を見るなんてあり得ない、などと考える妻、夫は少なくありません。もちろん、30代、40代夫婦にも何かしらの危機がありますが、それでも離婚には踏み切らなかったという場合は多いです。
その理由は、子どもがまだ小さいからかわいそう、離婚しても生活していけるか不安、といったことが理由に挙げられるようです。
ところが、50代となるとそれらの理由は離婚を踏みとどまる理由にはならなくなっていきます。子どもはもう独立したし、退職金を分けてもらえば何とか生活していけそう、年金を分割してもらえるのだから一人になりたい、といった理由から、離婚を真剣に考えるようになるのです。
それまで我慢していたものも、50代になるともう我慢してなくて良いと思うようになるのでしょう。その結果、残りの人生は自分の思うままに生きていきたいと離婚に踏み切る人が増えるのです。
とは言え、特に専業主婦であった女性の場合、離婚した後は生活のレベルがかなり下がることを覚悟しておかなければなりません。「離婚貧乏」などという言葉がありますが、女性一人が生活していくだけの収入を得るのは簡単なことではないのです。
しかも、男性よりも平均寿命の長い女性は、老後の資金も相応に用意しておく必要があります。年金分割を頼みにしていても、実際には婚姻期間中の厚生年金部分が分割されるだけなど、知らないでいると後からとんでもない結果になることがあるので注意しましょう。
離婚した場合にどのくらいお金がもらえるのか、具体的に計算してみることが必要ですし、仕事を考えている人は自分にできることがあるか、実際に求人情報をチェックしてみることです。
我慢できない性格の不一致
夫婦といっても元は他人であり、全く異なる環境で育った2人が結婚するわけなので、考えることも感じることも違って当たり前です。自分にはないものを持つ相手と一緒に生活するようになり、お互いに補完し合うというのが夫婦の理想といって良いでしょう。
しかし、初めこそ自分と違う相手に魅力を感じていたとしても、やはりそんな相容れない部分に我慢できず、ついには離婚となるパターンは数知れません。モラハラやDV、浮気なども離婚理由によくありますが、年代を問わず非常に多い離婚理由が、性格の不一致なのです。
そもそも性格の不一致ってどんなもの?
では、性格の不一致というのは具体的にいうとどのようなものなのでしょうか。どこか抽象的な表現なので、イマイチわからないという方も多いのではないでしょうか。非常によく聞く離婚理由であるものの、仮に裁判所を介して離婚しようとした場合、「性格の不一致」を理由に離婚することはできません。
もちろん、相手が納得すれば裁判などに持ち込むことなく離婚を成立させることができるのですが、「性格の不一致」というのは法律上は正式な原因とはならないのです。
実際のところ、一言ではとても言い表せない理由をとりあえず「性格の不一致」と表現している場合が多いのではないでしょうか。理由を問われた時の返答として、便利だから使っているということもあるでしょう。
長年連れ添っていれば本当にさまざまなことがあり、一つ一つは小さなことでも、それが積み重なって、最後はどうにも我慢できなくなるということがあるものです。
例えば、ご飯を食べる時にくちゃくちゃと聞こえてくるのが我慢できない、家に帰ってきたら必ず靴下を脱いでほったらかすなど、ちょっとした出来事に相いれないと感じるのも、性格の不一致とひとくくりにされることがあります。
このようなことは、人に説明したとしても、心から理解してもらうのは少々難しいかもしれません。
50代で我慢できなくなる性格の不一致
しかし、そんな相手の相いれない部分も、最初の頃であれば、たいていの夫婦は何とかやり過ごしていることが多いでしょう。付き合っている間にはまったくわからなかったものでも、もう結婚してしまったのだから我慢する、諦めるということもあります。
たとえ腰を抜かすほどびっくりするような事態が判明したとしても、結婚してしまったのだから、もう後戻りはできないということもあるでしょう。そのうち子どもができれば、たいていの女性は子育てのほとんどを一人で担っていかなければなりません。
とにかく子どもをしっかりと育てていかなくてはならないので、夫の些細なことに構っていることなどできなくなるのです。
ところが、そんな我慢も長続きするものではありません。そして、自分の人生はこのまま我慢し続けるだけで本当に良いのだろうか?と考え出すのが50代なのです。50代といえば、間もなく夫は定年し、あんなに大変だった子育てにもようやく終わりが見えてくる時です。
夫にとってもそうですが、女性の人生にとって非常に大きな区切りとなる定年が間もなくやってくるのです。そこで、離婚するのならこのタイミングしかない、と考えることが多いのです。
50代夫婦の今後に向けた対策法
では、性格が合わないから離婚しようと考えている50代夫婦に何か対策はないのでしょうか。離婚後の生活に不安を感じている場合、今のうちに自分の気持ちを軌道修正した方が、結果的には良いということも考えられます。
性格の不一致への対策は、過度な期待はしないこと
こんなはずではなかった、本当はこんな人だったんだ、などと感じるのは、多少なりとも相手に期待していた現れということができます。たいていの場合は少なくとも自分で良いと思ったから結婚したわけですが、良いと思えない面も持っているのは、ある意味、当たり前です。
ということは、相手に期待し過ぎないようにすることが大切だといって良いのでしょう。最初から期待していなければ、意外な面を知ったところでそれほど失望することはありません。それが自分にとってどんなに良くないことであっても、期待していないのならがっかりすることもないのです。
それどころか、相手のことをより深く知ることができたと考えるようになるでしょう。もしかしたら、その次に知るのは相手のとても良い面かもしれません。DVやモラハラといったことがあるのなら話は別ですが、性格の不一致による離婚は、期待しないことで避けることができる場合もあるのです。
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