あ更年期と言えば女性の悩み、というのが世間一般の理解ですが、近年では男性にも症状が見られることが知られるようになっています。とくに50代に入ると心身にさまざまな症状が見られるようになり、日常生活はもちろん、夫婦関係にも大きな影響を及ぼす可能性が出てきます。なんとなく調子が悪い、でも原因がよくわからない、そんな場合には更年期を疑ってみましょう。
50代の男性更年期はどうしてなるの?
女性の更年期はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの減少がおもな原因です。このエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンの分泌量がバランスを取ることで女性の健康が維持されているのですが、一方が減少することでさまざまな不調が生じるのです。
ではこうした女性ホルモンの影響がない男性の場合はどうして更年期になるのでしょうか?こちらの場合はテストステロンという男性ホルモンの減少がおもな原因で発症すると考えられています。
テストステロンといえばいわゆる「男らしさ」をもたらすホルモンとして知られていますが、これが減少することで心身に影響が及ぶようになるのです。
ただ女性の更年期と比較してあまり目立たず、症状が見られないケースも多いのが特徴です。それは女性の場合は加齢による卵巣機能の低下などはっきりとした原因があるのに対して、男性の場合はそうしたことがなく、テストステロンの分泌量の減少に個人差が出やすいのです。
急激に減少するほど症状が現れやすく、緩やかに減少していく場合にはほとんど見られないこともあります。この男性更年期ならではの特徴は2つの問題点があります。
ひとつは個人差があるうえに原因が掴みづらい点です。
女性の更年期はほとんどすべての女性が共有できる悩みなのに対して、男性の場合はごく一部に限られているというのが現状です。認知されていないために症状に苦しんでいるのに原因がわからず、周囲から理解されず、対策・治療方法もわからないまま苦しみ続けるケースも少なくありません。
もうひとつは医療機関でも充分な認知が進んでいない点です。
睡眠障害や頭痛、同期、耳鳴り、さらには精力減退などの症状が見られた場合、医療機関で審査を受けると他の病気として診断されてしまう恐れがあります。
男性ホルモンの減少が原因なのに、うつ病と診断されて抗うつ剤を投与される、といったことも起こりうるわけです。
ではどうして男性の更年期には個人差が生じるのでしょうか?体質的な面もありますし、本人の生活環境も深く関わってきます。女性の場合も体の衰えが急激に進む人ほど症状が重くなる傾向が見られますが、男性の場合も同様です。
加齢が加速するにつれてホルモンを分泌する機能も低下して症状が現れやすくなるのです。しかしそれ以上に大きな原因と考えられているのがストレスです。
50代と言えばさまざまな場面でストレスを感じやすくなる年代です。
職場ではある程度責任ある立場についてプレッシャーを感じやすくなり、一方では老後の不安を感じるようになり、さらには夫婦や親子など家族関係の悩みを抱えやすくなる。こうした環境が過度なストレスをもたらし、加齢によるホルモン分泌の減少を加速させてしまうというのです。
そのため、真面目で几帳面な性格の人、さらに管理職やデスクワークの仕事をしている人に発症例が多いとも言われています。近年になって男性の更年期が注目されるようになった背景にはストレス社会と言われる現代人の心の問題も深く関わっているのかもしれません。
男性更年期のメカニズムは?
原因のところで触れたように男性ホルモンのテストステロンの分泌量が減少することで生じ、減少のペースが急激になればなるほどさまざまな症状があらわれやすくなります。もともと男性ホルモンは女性ホルモンと比較して分泌量が減少するペースが緩やかなので、それほど影響が現れにくいと言われています。
しかし先ほど挙げたストレスなどの問題が体のメカニズムに影響を及ぼして症状をもたらすような状況を引き起こしてしまうわけです。
ここで、そもそもテストステロンとはどんなホルモンなのかについて知っておきましょう。「男性らしさをもたらすホルモン」として有名ですが、おもな働きとしては筋肉や骨を強化し維持すること、判断力や理解力といった認知機能を高めること、そして生殖機能を高めることが挙げられます。
そのため症状には筋肉量の低下、動悸や冷え、のぼせといった身体面も問題だけに留まらず無力感、うつ症状、物忘れ、不安、イライラといった精神症状、さらに性欲の低下、勃起力の低下なども見られます。
以前はなんでもなかったようなことに対してイライラして怒りをぶつけてしまったり、無力感に襲われて一日ぼうっとして過ごしたり、さらには性欲の低下で夫婦の営みがストップしてしまう…こうした事情が夫婦関係に悪影響を及ぼしてしまうことも少なくありません。
男性更年期の人口は?
わかりづらく、医療機関でさえ正確な診断を下すのが難しい面もあるだけに、具体的な人口を把握するのは困難です。よく知られたデータでは1000万人ほどが生涯において何らかの形で更年期の症状を感じるという数字があります。
男性の人口が6000万人程度、30歳以上の人口が4400万人程度と言われていますから、4.4人に一人は更年期に悩まされる形になるわけです。さらに40代、50代で更年期だと気づかないま心身の不調に悩まされている潜在的な患者も多いでしょうから、実態はもっと多いとも考えられます。決して特別な悩みではないわけです。
男性更年期は医療機関でどのような治療が行われている?
医療機関では女性の更年期対策と同様に、ホルモン補充療法が広く行われています。要するに減ってしまったホルモンを外部から補うわけです。貼り薬、塗り薬、内服薬、そして注射による補充が行われています。
減った分を補えばよいわけではなく、補うことでかえってホルモンのバランスが崩れてしまわないよう慎重に補充していくのがポイントです。
とくに男性の場合はテストステロンの過剰が前立腺肥大・前立腺がんをもたらす可能性もあるので、そのリスクがないことを確認したうえでの治療となります。
症状が重い場合、ホルモン補充療法には抵抗がある人には漢方薬を活用した治療なども行われています。あとはカウンセリングなど心理的なアプローチを試みるケースもあります。
とくにうつ症状や倦怠感、不安などが強い場合にはストレスの緩和も含めた精神面のケアが重要になってきます。
男性更年期は、妻にも恥ずかしくて言えないの?
厄介なのは症状がEDの形であらわれることです。どうしても性欲の減退や勃起力の低下は「男としての衰え」と見なしてしまいがち、悩みを抱えても誰にも言えないものです。たとえ夫婦であっても「ストレスが溜まってどうも性欲が湧かないんだ」などと正直に悩みを告白するのは抵抗があるものです。
その結果ズルズルと悩みを抱え続ける、またはますますストレスを溜め込んで症状を悪化させるなどの問題を引き起こしかねません。
もし心身の不調と併せて勃起力・性欲の減退が見られる場合には男性更年期を疑ってみましょう。同世代の奥様なら更年期の辛さを理解してもらえるはず、夫婦で話し合って医療機関に受診するなどの対策もできるでしょう。
EDの治療薬も検討する価値あり
ED治療薬もひとつの解決方法です。更年期の対策・治療をしっかり行っていくのが先でしょう。男らしさが失われてしまう男性の更年期、それだけに焦りを抱えがちなうえに周囲に相談しにくいまま一人で悩んでしまう面もあります。
決して珍しいものではなく、誰にでも起こる可能性があること、治療・対策には周囲の理解と協力も必要なことを知った上で適切なケアを行っていきたいところですね。
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