更年期の症状は全身の疲労感や頭痛、腰痛、肩こり、冷え、手足のしびれ、めまい、不眠、不安感やイライラなどですが、中でも辛いのが精神的な不調です。
私の場合は、50代になり自分ではなかなかコントロールができないイライラや気分の落ち込みが続きました。更年期特有のホットフラッシュもあり、婦人科でホルモン補充療法を受けましたが、婦人科から精神科を紹介されました。
「私ってうつ病なの?」と思いながら、帰宅途中にある漢方薬局にふらっと立ち寄りました。そこで処方してもらった漢方薬が私に合ったのか、徐々に気持ちが晴れてきたのです。(55歳 会社員)
50代から神経の高ぶりがつらかった
更年期症状の治療方法として西洋医学では、ホットフラッシュなどの自律神経の異常による症状に対しては、女性ホルモンの補充療法や自律神経調整剤の服用などがおこなわれます。
また、イライラや不安感、落ち込み、抑うつなど精神的な症状に対しては、向精神剤を中心とした薬物療法のほか、精神療法が施されます。
一方、東洋医学では漢方薬が主流ですが、鍼灸やマッサージで更年期症状がラクになった人もいます。イライラしてヒステリックになるのは、確かにまわりの人にも迷惑をかけますが、本人はそのあと劣等感や不安感にさいなまれて、なかなか立ち直れないのです。
自分ではどうすることもできないイライラ
私はパートで、40代後半から新聞社のコラムを書くアルバイトをしていましたが、インタビューをして記事を書く仕事が中心でした。
直行直帰で、はたから見れば楽な仕事と思われますが、取材先とコンタクトを取り、記事を掲載するまでに何度か会う必要がありました。
「こんにちは」という人物紹介の記事を書いていて、写真も撮らせていただいていました。
今までも何度か「この写真はどうも」とかクレームもあり撮りなおすこともあったのですが、更年期症状が出始めたある日、撮りなおしの要請があって出向きました。
写真の摂り方が下手すぎると言われ、思わずカッとなってあろうことか「カメラは正直です」と言ってしまったのです。
画廊の女社長は激怒し、「今取っている新聞は明日から配達しないで!あなたを辞めさせるくらい簡単なことなのよ」そう言って私を追い返しました。
その足で会社に出向いたのですが、「そんなこと気にしてたら記事は書けないよ。君らしくもない」と一笑されてしまいました。
その後、先方からは上司に何の連絡もなかったようですが、私はどんどんヒステリックになっていく自分が嫌になり、もっと失礼なことをしてしまうのではないかとの不安から、夜も眠れなくなってしまいました。
上司に更年期障害がひどくて仕事ができないことを伝え、パートをやめることにしました。
自分の体と向きあう!西洋医学と東洋医学を比べてみる?
西洋医学と東洋医学を比べてみると、どちらもメリットとデメリットがあります。
そして、西洋医学と東洋医学はそれぞれ得意分野があるのです。
私には、西洋医学の女性ホルモンの補充療法は、発汗やのぼせの症状には即効性があるように思えましたが、イライラや不安感、落ち込みなどには、あまり効果を感じられませんでした。
そこで、漢方薬を試してみることにしました。
後で知ったことですが、更年期対策は女性ホルモンの補充療法を試みた人が約12%、漢方薬を試した人が約14%、マッサージや針治療などの施術を受けた人が約20%、アロマ療法や市販薬を飲んだり、カウンセリングを受けた人が合わせて約20%だと知りました。
また、その他の人は、食事療法やヨガやストレッチなどの運動で更年期症状を改善したようです。
それまで私は東洋医学をあまり信じていなかったところがあったのですが、データを見て、漢方薬を試してみようと思ったのです。
50代の日本女性ならマッチしやすい漢方薬
漢方薬を試すには、漢方専門の薬剤師が常駐する薬局で更年期の症状を伝え、自分にあった生薬を処方してもらうか、漢方クリニックや総合病院の漢方科があるところを受診します。
私は、総合病院に行くと、たらいまわしにされるのではと思ったので、保険がきかないが漢方医の資格を持つ有名な漢方薬局で相談することにしました。
そこは予約制で、1時間ほどかけて問診と診察が行われました。
生い立ちや職業、家族構成、病歴や家族について質問され、食べ物の好みや、どのような症状に悩まされているかを詳しく聞き取り、舌や脈を確認し 、お腹の触診が行われました。
漢方の四診について
漢方では患者の体質を知るために望診、聞診、問診、切診が行われます。
一つ目の望診とは舌の診察で、二つ目の聞診とは呼吸や口臭などを診察のことです。
三つ目の問診とは全身症状を診ることで、四つ目の切診で直接肌に触れて診ます。
その人に合った生薬がブレンドされて、オーダーメードの漢方薬が出されます。
私は漢方薬は何年も続けて飲まないと症状が改善できないものと思っていましたが、実はそうではなく、更年期症状に関しては漢方の効果が実感できるまでの目安はだいたい半月ほどだそうです。
賢い市販の漢方薬の選び方とは?
漢方薬は、めまいや頭痛、イライラやうつ的症状などの精神的な不調に強いと言われています。
更年期症状の三大婦人薬と言われるのが加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。
私は漢方医のいる漢方薬局で処方してもらった薬を1ヵ月飲んだ後だいぶ快方に向かってきたため、市販の補剤と言われる補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んでみることにしました。
補剤とは、体力を底上げするための生薬ですが、補中益気湯は気力の低下やうつ的な気持ちを改善する効果もあるといわれる黄耆(おうぎ)、オタネニンジンの種などが配合されたものです。
市販の漢方薬は、体質や症状によって選びましょう
症状は人によって違うので、漢方薬に詳しい薬剤師さんのいる薬局で相談しましょう。ちなみに次のような漢方薬が更年期症状の緩和に効果があると言われています。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力が中程度以下で、のぼせや肩こり、不安やいら立ちなどの症状がある人に適してます。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があるものの、肩こりや頭痛、めまいや冷えのぼせなどの症状がある人に適しています。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力がなく、貧血や冷え性の人に向きます。
- 温経湯(うんけいとう)
体力があまりなく、手足のほてりや唇の乾き、不眠などの症状がある人に効果的です。
- 五積散(ごしゃくさん)
体力がやや虚弱で、冷えや頭痛が気になる人に効果があります。
- 温清飲(うんせいいん)
体力が中程度で、皮膚が乾燥気味な人やのぼせやすい人に効果的です。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力がなく、貧血や冷え性の人に向きます。
以上は一般的な例ですが、薬が合わない場合は、薬剤師などに相談して他の漢方薬に切り替えてみることも一つの方法です。
精神を安定させるお薬効果のある食材を食卓に
更年期症状のうちのイライラ、不安、落ち込み、抑うつ、不眠、意欲や集中力の低下などの精神的な症状の緩和には、ピーマン、セロリ、ゆり根、小松菜、チンゲン菜などの野菜や、カキ、ホタテ、アサリ、シジミ、イワシ、サケなどの魚介類、卵、牛乳、ココア、なつめ、アーモンドなどが効果的です。
更年期を迎える時期は仕事では責任のある立場、家庭では子どもの独立や親の介護といった問題も出てきます。このような様々な現実が更年期症状をさらに悪化させます。
「西洋医学では解決できない部分を補うには、漢方の力を借りることもありかな」と思います。自分に合った漢方薬や漢方食材を生活の中に取り入れて、頑張りすぎないように過ごしましょう。
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